ブログ日本昔話

血と土地

俺たちはいつか死ぬのさ、とマザーファッカーは言った。

「俺たちはいつか死ぬのさ。」

神戸のバーで出会ったマザーファッカーは、俺の顔を見るなりこう呟いた。

「俺だって生まれた時からマザーファッカーだったわけじゃない。」

マザーファッカーは大きな溜息をつくと、1杯290円の激安生ビールを一気に喉に流し込んだ。

俺は、こんなマザーファッカーは生まれた時からマザーファッカーに違いないと決めつけていたので、いささか意外な気がした。なにしろ、そいつときたら、顔付から所作、服装まで、どこを切り取ってもマザーファッカーとしか思えなかったからだ。

マザーファッカーはやれやれといった感じで首を振ると、店中に響く声で叫んだ。

「おねーさん、生中おかわり。」

そして、鼻の穴からフンガーと息を吐きだしつつ、俺の目をじっと見つめてこう言った。

「枝豆食べる?」